2013年04月07日
トレッキングシューズの選び方2013
KONGのブログで圧倒的に読まれているのが、
2009年に書いた「トレッキングシューズの選び方」です。
自画自賛ではありませんが、今読み返してみても、
一生懸命皆さんに伝えようとしていることがわかります。
そこで、2013年版に改訂してみました。
これから登山を始めようとしている方や、
ちゃんとしたお店でしっかり説明を受けて登山靴を購入されていない方、
また、自分の使っている靴に問題や疑問を持っている方はぜひ、
2013年版「トレッキングシューズの選び方」を一読してみてください。
実際に履いてみて自分に合ったものを選んでください
トレッキングシューズと登山靴とは何が違うの?と思って見える方が多いと思いますが
これは、同じものと考えていただいていいと思います。
もともとトレッキングとは山岳地帯を長期間歩いて旅行する意味で、
海外の大きな山脈やアルプスでは、こういった徒歩旅行を楽しむ人たちが多く
山岳地帯を大きな荷物を背負って長時間歩く訳ですから、当然怪我をしないためにも
疲れないためにも専用のシューズが作られるようになりました。
これがトレッキングシューズと言われるものです。
クライミングシューズやローカット・ミッドカットシューズなど
用途に合せたシューズを選んでください
※「初心者はミッドカット」などという選び方は間違いです
50歳以上の方が若い頃使用していた革製の登山靴は、
山歩き・岩登り・冬山を兼用した幾重にも革を併せて作った登山靴を重登山靴と言い、
それに対して、軽量な革やナイロンで作った靴を軽登山靴と言っていましたが
クライミングシューズ、冬用登山靴、沢シューズ、トレールランニングシューズなど
それぞれのシーンや用途に応じた靴が作られている現在は、
一般的な山歩き用の靴を総じてトレッキングシューズと呼んでいます。
さて、トレッキングシューズにもピンからキリまであります。
これは当然価格の違いでもありますが性能の違いでもあります。
当店でもよく「これから山登りを始めるので初心者用を下さい。」と言われるお客様がみえます。
しかし、シューズの選択はどのような登山がしたいのか、どの山に登りたいのか、
日帰りか、小屋泊まりか、テント泊かなどの登山スタイルによって選ぶもので、
初心者であってもテントを担いで槍ヶ岳に登ろうとしている人と
10年以上の登山歴があっても日帰りの登山しかしていない人では
初心者・テント泊の人のほうが高機能(高価格)な靴が必要になります。
逆に、ベテラン・日帰りの人には高機能・高価格な靴は必要ありません。
(左)軽くて柔らかい日帰り向きのシューズ (右)全体的に硬めのテント泊や縦走向き
一般的に低価格の靴は軽量で柔らかいので、荷物も少なく日帰りを中心とした人に向きます。
高価格の靴(主に革製ですが、最近はナイロン性の物もあります)は重量は重くなりますが
硬くて安定感がありますので、テント山行や何日も縦走を考えている人(荷物の重い人)に
向いています。
体重が重い人も足にかかる負担が大きいので、硬めの靴を選ばれた方がいいでしょう。
価格の目安としては、軽いものが2万円前後、硬めの靴は3万円以上はすると考えてください。
靴のタイプが決まったらサイズ選びです。
登山には登山専用のソックスをオススメします
おっとその前に、登山用のソックスを購入されることをおすすめします。
登山用ソックスとは、普段履いている物よりも少し厚手のソックスです。
パイル地などでクッション性が高く、長時間硬い靴を履いていても足が疲れません。
また、ポリエステルなどの速乾素材やウール、それらの混紡素材などで作られていて
汗をかいてもべとつかず乾きやすいのが特長です。
普段履いている綿のソックスは、汗を吸うと乾かない上に
濡れたタオルで垢すりをするのと同じで、肌を強く刺激しますので靴擦れをおこします。
ソックスの厚さが変わると靴のサイズも違ってきますので、
先にソックスを購入し、そのソックスを履いて靴を選びましょう。
登山用ソックスを持っている人は、自分のソックスを持参してシューズ選びをして下さい。
登山用ソックスの価格はだいたい2,000円前後です。
さて、ソックスの準備が出来たところで実際に靴を選んで履いてみましょう。
少し余裕がないと歩いていてつま先を傷めるので、
通常のサイズより5mm~1cmくらい大きい靴を選び、必ず履いてみて下さい。
足を入れて紐を結ばない状態で、写真のようにかかとに指が1本入るか確かめてください。
指が入らなければもう少し大きいサイズに、余裕がありすぎる場合は
小さいサイズに交換して履き直しましょう。
サイズが決まったら、ぴったりフィットするように紐の強さを調整しながら
足首の一番上のフックまでしっかり編み上げて結びましょう。
きつく締め付ける必要はありません、
足が動かない程度に、ぴったりフィットするよう紐を締めてください。
紐が緩んでいると足が靴の中で動いてしまい、歩きにくい為に疲れたり、
靴擦れをおこすこともあります。
しっかり履けたら、立ち上がり歩いてみましょう。
この時圧迫感があったりあたる所があればもう一度紐の強さを調整してください。
何度か調整しても違和感がある場合は、他の靴を選び直して下さい。
出来れば何足か履き比べてみて、一番歩きやすく足当たりのいいものに決めてください。
※足首の部分を編み上げない方がみえますが、せっかくハイカットのシューズを履いて
足首の補強をしている意味がなくなってしまいます。必ず一番上まで編み上げてください。
※昔の重登山靴は硬くて足首がまったく曲がらなかったので、足首部分を編み上げずに
ぐるりと紐を巻いたりしていましたが、
現在のトレッキングシューズは上まで編み上げる履き方が正しい履き方です。
(左)テント泊や縦走向きのトレッキングシューズ (右)軽量で足首が柔らかくアイゼンも
使用できる3シーズン用のシューズ
KONGには子供用も揃っています 16cm~23cm
デザインや予算も大切ですが、登山における靴は(ウェアーなども同じですが)道具なので
目的に合わない物や、使いにくい物を購入しても意味がありません。
合わない靴を購入すると、壊れるまでずーっと我慢をして使い続けるか、
もう一度買い直すことになりかねません。
自分にあったトレッキングシューズは、これからの登山を楽しく快適なものにしてくれる
あなたの登山パートナーとなります。
必ず、専門店へ行き自分の登山スタイルを話した上でしっかり説明を受け
今回説明したような点に注意して、実際足を入れてから購入してください。
スポンサーリンク
Posted by KONG at 11:33
│ギア